*19年ぶり おかえりセーラ!「おかしな遺産」
シャーロット・マクラウドの探偵小説「セーラ・ケリングシリーズ」に最新刊登場。
前作「復活の人」が1996年(日本。アメリカでは1992年)で、
それから19年たっての出版です。
もうシャーロット・マクラウドさんはお亡くなりになっていて、
名訳で人気だった浅羽莢子さんもすでにお亡くなりになって、
「おかしな遺産」は
アメリカで1995年に発表されたものの、日本では未刊でした。
それが、ついに!
創元推理文庫さん、ありがとう!
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488246280
人気の翻訳者だった浅羽莢子さんの後を継ぐのは荷が重いと思いますが、
戸田早紀さんは、今までの雰囲気を受け継いでくれて、素敵な翻訳でした。
以前の作品で登場した人物が再登場して、ストーリーに絡んでくるのが
シリーズものの楽しさですが、
セーラって誰?シャーロット・マクラウドって、誰?という方は
この「おかしな遺産」だけでも楽しめると思います。
お約束の2時間サスペンスみたいに、
夫とのなれそめとか、親戚のつながりあれこれとか、繰り返し説明されていますし、
この人、誰なの?と思っても、
まあ、そこは想像力をふくらませて・・・すっとばしても大丈夫~。
アメリカ・ボストンの上流階級出身の若い女性が主人公ですが、
育った環境のせいか落ち着いた雰囲気の人柄で、明るく優しいストーリーです。
といっても、ミステリーなので、毎回殺人事件を解決するお話。
いわゆるお菓子探偵のゆるゆるミステリーより、もう少し謎解きが複雑で楽しめます。
アメリカの女性探偵といえば、以前、大好きなヴィクを紹介しましたが、
(セプテンバー・ラプソディ)
シカゴで活躍するヴィクがアウトドア派で、敵(悪)と本格的に闘っちゃいますが、
ボストンのセーラはインドア派。
「あら、まあ」と言いながら、じわじわ犯人を追いつめるタイプ。
でも、陰気な感じではないので、ご安心ください。
シリーズ第一弾「納骨堂の奥に」(1989年日本)は絶版でしたが、復刊するとか?
前作復刊してくれたら、うれしいですね~。
でも今となっては時代が古すぎて、
そこは携帯で(スマホで)ささっと連絡すれば、すれ違わないでしょ~、とか、
悩んでないで、ググればわかるでしょ~、とか、
ツッコミどころ満載なので、
本屋さんでチラ見してからご購入くださいね。
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