*「こだわり」と書いたら、ペンを止めたい
会社のこれから、つまり経営戦略を練る第一歩の現状分析に
「SWOT分析」を以前紹介しました。
強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)の4点から
自社を取り巻く経営環境の今を客観的に把握するというもの。
その中でも、最も重要なのが「S=Strengths;強み」ですね。
これこそが、戦略の要。
戦うための武器ですから、しっかりと見極めたいところです。
経営改善計画を策定する際にも、これを見つけ梃子にしてこそ、復活できるというもの。
この「強み」を書きだした時、よく見受けられるのが、「こだわり」という言葉。
「こだわり」を調べてみると、こんなふうに出てきました。
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1 ちょっとしたことを必要以上に気にする。気持ちがとらわれる。
拘泥 (こうでい) する。「些細 (ささい) なミスに―・る」「形式に―・る」
2 物事に妥協せず、とことん追求する。
「素材に―・った逸品」
3 つかえたりひっかかったりする。
「それ程―・らずに、するすると私の咽喉を滑り越したものだろうか」
〈漱石・硝子戸の中〉
4 難癖をつける。けちをつける。
「郡司師高―・って埒 (らち) 明けず」〈浄・娥歌かるた〉
[補説]2は近年の用法。(出典:デジタル大辞泉)
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「SWOT分析」でよく書かれる「こだわり」は、
2の「物事に妥協せず、とことん追求した」点かと思いますが、
実際は、けっこういろいろな意味があるんですね。
ただ、今日、「ペンを止めたい」と書いたのは、
それが理由ではありません。
品質にこだわっています。
安全にこだわっています。
素材にこだわっています。
そういう文章を読んで、
社内なら、ああ、あのことだな!と納得してもらえると思います。
でも、社外に伝える場合は、これでは表現不足。
たとえば、取引先への提案書類、
たとえば、ビジネスプランのエントリーシート、
たとえば、補助金の申請書類、などなど。
もっと掘り下げて具体的な説明がほしいですね。
素材であれば、
どんな素材、どこの素材、その理由や数値的根拠など。
安全性であれば、
安全のこだわりをどう把握しているのか?
なにをもって安全と判断するのか?
「こだわり」の一言を書いたら、ちょっと手を止めて、
見知らぬ第三者に伝わるかどうか、考えてみるといいですね。
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オフィス ラスト・リゾート 松本 眞由美
(中小企業診断士・ITコーディネータ・医療経営士2級)
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